現場

30年の農事が一つの画面になるまで — トマト農家の栽培ノート

著者: community · 2026年2月19日
この記事には実証版があります。 同じ主題を、動くコードと実際に描かれた画面で作り直しました — 問いかけられる記録 — ノート三十冊が見せられなかったもの。この記事は書かれたまま残します。

江原道・華川、チョン・ボクサンさん(58)のビニールハウスは早朝が一番慌ただしい。トマトの茎の間に湯気が立つ時間、彼はハウス8棟を一回りする。以前なら頭の中で「3棟は脇芽を取る頃で、5棟は数日前に薬を撒いたからいいし…」と数えていた道のりだ。ところがこの日、彼の手には携帯が握られ、画面には「今日見るべき作物」という一覧が表示されていた。作物の名前、何日目か、そして黄色い表示一つ。彼は画面を一度なでてから「今日は3棟のトマト」と言った。

ビニールハウス8棟、作物6種(トマト・きゅうり・ズッキーニ・唐辛子・レタス・ミニトマト)、農事30年。普通この時期なら、人手を二人ほど増やしても、作物ごとにいつ何をしたか混乱しがちだ。ところが彼は一人で、落ち着いていた。秘訣を尋ねると、彼は携帯を回して見せてくれた。「この画面です。私が作りました。」コンピュータでやることといえば、たまに相場を検索する程度だったという。

早朝のビニールハウスを回るチョン・ボクサンさん — 手には鍬の代わりに「今日見るべき作物」を表示した携帯一つ
早朝のビニールハウスを回るチョン・ボクサンさん — 手には鍬の代わりに「今日見るべき作物」を表示した携帯一つ

納屋にノートが三十冊あったそうですね。以前はそれをどう見ていましたか?

鉛筆で罫線のノートに書きました。毎年一冊ずつ。苗を移した日、その日の天気、水をやった日、薬を撒いた日、初収穫の日。ある年には短く一行付け足しました — 「今年は早く移しすぎた」「梅雨が長くて軟腐病が来た」こんなふうに。三十冊くらいになりました。表紙ごとに年が書かれた、私の農事人生です。

抜かした年はほとんどありません。誠実でした。ところが妙に役立ちが半分でした。また開くときにそれが表れます。「一昨年の今頃トマトをいつ移したっけ?」と思えば、棚から一昨年のノートを取り出して指に唾をつけながら一枚ずつめくります。見つかれば幸いで、鉛筆が薄れていれば窓際に持っていってしばらく見入って。あるメモはどの棟のか書いていなくて、前後を見て推し量りました。

もっともどかしいのは比較でした。「今年は去年より移すのが早かったか?」これを知るには二冊を並べて開いて日付を合わせなければなりません。五年を見るには五冊を開いて目で行き来するしかなく。30年分の経験が確かにあの棚に全部あるのに、私はそれに問いかけることができませんでした。そこにあるのに、届かないんです。

それで自分で道具を作った。農家の方が開発を学んだのですか?

いいえ。それが核心です。私はコードが書けません。キーボードも一本指打法です。私がしたのは何が必要かを決めたことだけです。画面に何が表示されるべきか、どんな欄があるべきか、今日何を先に見るべきか — それは私が30年農事をやってきたから分かるんです。それをコンピュータに分かるように移すのがいつも壁だったのですが、その部分をmakemindが引き受けてくれました。

私は画面を描いたのではなく話したんです。作物を選ぶと今年の記録がずらっと出るように。上には移してから何日目か大きく。新しい仕事ができたらボタンを押して一行追加、日付は今日に自動で。こうして何をどこに見せてほしいと言葉で書けば、それが画面になります。私がデザインをしたのではなく、必要なものを話しただけなのに。

「私は画面を描いたのではなく話したんです。畑で何が大事かは私が一番よく知っているので。描けなくても話せるじゃないですか。」

その画面の裏で実際に何が起きているのか、見せてもらえますか?

もちろんです。実は画面は一番最後です。その前に流れがあります。ノート一行が入ってきて、作物別に時間順に積み上がって、今日見るべきものが選び出されて、画面に出る。私はその流れを組んだのではなく、各段階に何が入って何が出るべきかだけを決めました。

最初の段階、記録はどうやって入りますか?

畑で仕事しながら携帯を取り出してボタンを一度押します。「3棟トマト、脇芽整理」こんなふうに。日付は今日に勝手に埋まり、何日目かも移した日から自然に数えます。手に土がついたままでもできるので、以前のように仕事を終えて納屋に行ってノートを開いて書く、ということをしなくていい。その場で一行。

三十冊の古いノートも合間に移し入れています。一行一行全部打つ必要はなく、太いもの — 移した日、初収穫、「その年に何かあった」というメモ — から。それが入ると30年が一つの画面の中でつながるんです。

大事なのはどの棟、どの作物の記録かが一緒に付くということです。以前は書かなくて推し量っていたあの欄です。今はそれが常に付いているので、後で「これどの畑のだ?」ということがありません。

その次、記録はどこに積み上がりますか?

作物ごとに記録が時間順に積み上がる場所があります。「3月12日移植」「4月1日初水やり」「5月3日薬」「5月20日初花」 — こんなふうにずらずらと。各行にはどの棟から出たものかが付いています。

これが紙と決定的に違います。紙は書くことで止まります。書いたものをまた取り出して合わせてみるのは、人の記憶と忍耐に委ねられます。ところが同じ欄が決まった場所に入ると、そこから問いかけられるものになります。「今年水をやった日だけ集めて。」「去年と今年の移した日を並べて。」紙なら何日かかるものが、一度押せば終わりです。今年の一行と去年の一行が同じ形だから、機械がその二つを合わせてくれるんです。

ここで小さな魔法が始まります。書くだけだったものが、同じ形で列を成した瞬間増え始めるんです。今年の記録の上に去年の記録を重ねてみると、一年だけ見ていた私が見られなかったものが見えます。紙で30年書いてもそれは見えませんでした。ノートが皆違ったから — ある年は日付だけ書き、ある年はメモが長く、ある年は棟を書かず。形がまちまちで重ねられなかったんです。同じ欄に移しておくとようやく重なり、重なるとパターンが浮かびます。

では「今日見るべき作物」はどう表示されますか?

毎朝早く6種を一度さらいます。移してから何日経ったか、水をやってから何日過ぎたか、去年の今頃何をしていたか。私が決めたこの基準でさらって、今日手をかけるべきものを選び出してくれます。

単に日付だけを数えるのではありません。昨日画面に「3棟トマト — 移して18日、去年はこの頃初花」と表示されました。何日目かを教えるだけでなく、去年の同じ時点には何があったかまで横に付けてくれたんです。私がノート二冊を開いて合わせてみたら一苦労だったものを、先に指摘してくれるから、私は行って確認するだけでいいんです。

これが私が早朝ごとに見る画面です。上には今日手をかけるべき作物が「何日目」チップと一緒に、下には今週片付けるものを一行。あの下のカード見えますか?「トマト — 移して18日目、去年の初花18〜20日。」これも私が一つひとつ数えたのではなく、勝手に選び出してくれたものです。5年分が積み上がるとああいうものが見えるんです。移して18日くらいにいつも初花が咲いていたということ — 紙では30年書いても見つけられなかったものが、同じ形で積み上がると五年で自然に表れました。ずっと感覚では分かっていたけれど、感覚と目で見ることは違うんですね。

まとめると、チョンさんがしたことは何で、makemindがしたことは何ですか?

私がしたのは判断です。どんな欄があるべきか、何を先に見るべきか、どんなメモが後で役立つか、去年のどの時点と見比べるべきか。それは30年畑をやった人だけが知っています。どの欄は必ずあるべきでどの欄はなくてもいいか — それはデータシートにも、農薬マニュアルにもありません。私の30年の中にだけあります。makemindがしたのはその判断を運ぶことです。

段階私が決めたこと(30年の判断)道具がしたこと
記録入力どんな欄を置くか(棟・作物・作業・メモ)畑でボタン一度に一行、日付・日数自動
履歴蓄積何を記録として残すか作物別に時間順・出所とともに保管
今日見るもの何を基準に見るか6種をさらって手をかける作物・去年比較を選別
発見どんなパターンを疑うか同じ形のデータからパターンが表れるように
画面何をどこに見せるか話した通りに画面へレンダー

私は左の欄だけを埋めました。右は道具が引き受けました。開発を学んでいたら数か月、誰かに頼んでいたら申し訳ない気持ち何度かだった仕事を — 私の判断を言葉に移すだけでやったんです。

では、これが農事を代わりにやってくれるのですか?

いいえ。それははっきりさせておきたい。この画面がトマトを育ててくれるわけではありません。脇芽は私が取らなければならないし、水の頃合いも結局は私が土を触って決めます。「移して18日なら初花」それは傾向であって命令ではありません。今年の春が寒ければ22日に咲くこともあるし、その日ハウスに入って茎を見て葉を見て判断するのは依然として私の務めです。画面が「今日3棟を見ろ」と言っても、行ってみてまだ早ければ取りません。それは画面が知らないことだから。

機械が指摘してくれるのは先に疑ってくれることまでです。その次の本当の判断は人がやります。30年やっても毎年新しいのが農事なので、道具がそれを代わりにはできません。ただ忘れないように、取りこぼさないように支えてくれるんです。手は軽くなり、頭は暇になり、肝心の大事な判断にもっと集中できるようになる。ちょうどそこまでがこの画面の仕事です。それが適当なんです。

一番大きく変わったことは何ですか?

頭が暇になりました。以前はいつも何か忘れている気がする感覚がありました。「5棟に水をやってから何日経ったっけ」「唐辛子に薬を撒く頃を過ぎたか」 — こういうのが頭の中にいつも漂っていました。作物が6種で棟が8つだから、それを全部覚えようとすると頭がいっぱいになりました。今は早朝に画面を一度見れば今日何が急ぎか全部浮かびます。覚えるのは画面がやって、私は土だけ見ればいいんです。

そして30年が散りません。ノートは納屋に眠っていればただの薄れた字の山です。私が去れば次の人はそこから私が知っていたことの四分の一も拾えません。ところが同じ形に移しておくと、これは次の年が問いかけられるものになりました。うちの息子がたまに畑に出てくるんですが、いつかこの子がこれを継いだら — 私が18日のパターンを見つけたように、私が見つけられなかったものまでそこから読み取るでしょう。

「以前は頭の中に6種8棟がいつも漂っていました。今は早朝に画面を一度見ればいいんです。頭が暇になるから、かえって土を見るのにもっと集中できるんです。」

他の農家に勧めるとしたら?

大げさに始めるな、と。私も最初からこれを全部作ったわけではありません。「作物を選ぶと今年の記録が出る」画面一つから始めました。それができたからボタンで一行追加するのを付け、何日目か数えるのを付け、去年比較を付け — 一マスずつ増やしました。週末の午後に、気軽に。

核心はこれです。あなたが一番よく知っているのはあなたの畑であってコンピュータではない。そのよく知っていることを話しさえすればいいんです。会費の帳簿でも、出荷記録でも、近所の作目班の出席簿でも — 小さすぎて市場に出てこなくて、自分流すぎて他人が作ったものがしっくり来ないもの、あるじゃないですか。今までただ我慢していたもの。描けなくても話せるじゃないですか。私のように一本指打法の人間が作った画面が、今私のハウス8棟を支えているんです。


makemind.dev 「現場」— ドメインを最もよく知る人が、自分の道具を自分の手で。チョン・ボクサンさんの栽培ノートはコードではなく30年の判断で建てられました。

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